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「無二的人間」 山本空外著38 [無二的人間]

P49より続き
「世間虚仮・唯物是真」(『法王帝説』)という名句は誤解されて、どうせこの世のなかは、まにあわせのように考えているひともあるが、それで死後までよいかげんのことになろう。
しかしいかに多数者はそうでも、じつは王位も継がずに、終生乞食僧で終られた釈尊のさとりの生活を手本にした印度随一の名僧竜樹(150-250)は、

「涅槃は世間と少しも分別あることなし
 世間は涅槃とまた少しも分別なし
 涅槃の実際とおよび世間の際と
 かくのごとき二際は毫の差別なし」
   (『中論』巻第四)

という。「涅槃」とは梵音で、さとりのことである。
自分でさとれば、このようにいえるにちがいない。
この根源を西洋哲学では「一者」(ト ヘン)ともいう。


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コメント 2

tae

とても勉強になります。ありがとうございます~。
by tae (2012-08-28 09:31) 

てらこや

taeさんへ
コメントありがとうございます。
空外先生の文章はけっこう長いので、できるだけ短くてわかりやすそうな部分を抜粋しています。勉強になっているのでしたらとてもうれしいです。
こちらこそ、ありがとうございます^^

by てらこや (2012-08-30 18:27) 

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